先日行われた文化祭では、オープニングセレモニーで有志による素晴らしい「豊中ソーラン節」が披露されました。
大勢の生徒が、心を一つにして取り組んだ踊りには、迫力とともに感動を覚えました。その中で、使われていたのが
「大漁旗」です。
平成18年度にPTAの方々から贈られた大漁旗が、久しぶりに体育館で使われました。きっと卒業生のみなさんも喜
んでいたと思います。さて、ここで「大漁旗」について、少し書きたいと思います。
「大漁旗」は、元来 沖の漁船から港で待つ家族や仲間に、いち早く大漁の報らせを伝える信号旗の役目を持つもの
でした。海は望外の富を生む宝庫であると同時に「板子一枚、下は地獄」と云われるように、人智を超えた危険に満ち
た職場でもあり、かつてはそこで行なう漁業は、経験と勘に頼ることの多い厳しい仕事でした。そんな環境の中で自然
発生的に生まれた「豊漁と海上安全を祈る信仰心」に支えられる大漁旗は、「祈りと感謝」の心が込められた漁師さん
たちの「魂の旗」でもありました。
それだけに単なる旗印ではなく、力強く、美しく、勇壮で、得も知れぬ不思議なパワーを感じます。とても魅力的な海の
アートになっています。そして今は、長期間の遠洋漁業出漁の見送り時や、港のお正月・お祭りなどには「ハレ」の旗と
して華やかに飾られています。
豊里中では、この大漁旗を生徒玄関に飾られていますが、これは、生徒全員が、学習や運動などの学校生
活全体で多くの事を身に付けること、つまり「生徒自身の大漁」に願いを込めているのです。生徒のみなさん、
みなさんは多くの人たちに支えられていることを忘れずに、これからも頑張ってください。
◆生徒の踊り「豊中ソーラン節」で使われている「大漁旗」 ◆生徒玄関に飾られている「大漁旗」